『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』の喜多ちゃんの話をさせてくれ

たかが映画だ。

 

しかも、テレビアニメの総集編となればできること、やれることも限られる。
歴史に残る稀代の名作になる可能性が低ければ、逆に作品の看板に泥を塗る世紀の駄作となることもほぼない。
本来であれば過度な期待をすることも、必要以上に心配することもないはずの作品だ。

 

だが、私にとってはされど映画だ。

 

元のテレビアニメ……というよりはある一人への思い入れが強すぎるからこそ、彼女の輝きを穢すようなものにならないか、不安で不安で不安で不安で仕方がなかった。

 

何の話かって? 『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』の話だ。

 

喜多ちゃんの軌跡が踏み荒らされたらどうしよう、そんな代物を作ったら承知しないからな。そんな身勝手極まりない負の感情と、それと相反する期待感が入り混じったぐちゃぐちゃな精神状態で、幕が上がる時を待っていたわけである。

 

そして、本編開始わずか数秒でとてつもない衝撃が襲いかかってきた。

俺の知らない喜多ちゃんが映ってる!!!!!

 

(以下、ネタバレが全力全開なので要注意)

 

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私と喜多郁代

ファム・ファタール」という言葉がある。

運命の女性、男を破滅させる魔性の女、といった意味のフランス語だ。

 

幸か不幸か、おそらく私は自分の人生におけるファム・ファタール、喜多郁代(本人が「喜多ちゃんって呼んでください♪」と言っていたので以降は喜多ちゃんで通す)と出会ってしまった。

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