たかが映画だ。
しかも、テレビアニメの総集編となればできること、やれることも限られる。
歴史に残る稀代の名作になる可能性が低ければ、逆に作品の看板に泥を塗る世紀の駄作となることもほぼない。
本来であれば過度な期待をすることも、必要以上に心配することもないはずの作品だ。
だが、私にとってはされど映画だ。
元のテレビアニメ……というよりはある一人への思い入れが強すぎるからこそ、彼女の輝きを穢すようなものにならないか、不安で不安で不安で不安で仕方がなかった。
何の話かって? 『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』の話だ。
喜多ちゃんの軌跡が踏み荒らされたらどうしよう、そんな代物を作ったら承知しないからな。そんな身勝手極まりない負の感情と、それと相反する期待感が入り混じったぐちゃぐちゃな精神状態で、幕が上がる時を待っていたわけである。
そして、本編開始わずか数秒でとてつもない衝撃が襲いかかってきた。
俺の知らない喜多ちゃんが映ってる!!!!!
(以下、ネタバレが全力全開なので要注意)
続きを読む